上の写真は、正常成人の右眼の所見です。
視神経乳頭から網膜動静脈が分布しています。
写真中央のやや色調の暗いところを中心とした領域が黄斑部です。
眼は心の窓と申しますが、眼は体の窓でもあります。
眼底検査で観察される網膜には眼の病気以外に、思いの他 多彩な疾患による変化が現れます 。
網膜は身体の中で、神経(視神経)や血管を 直視できる臓器ですから、 高血圧 動脈硬化 糖尿病変化をとらえるのに眼底を観察することが有用となります。
それ以外にも貧血をはじめとする種々の血液疾患 膠原病やある種の感染、例えばHIV感染(AIDS)など 様々な疾患がみつかることもあります。
健康診断や人間ドックで眼底をチェックする理由のひとつは、こうした全身疾患が眼の眼底写真でわかることが少なくないからです。
定期的検査も重要です。
なにげなく眼で物をみていても 種々の病気のもたらす僅かな変化に 気がつかない場合も少なくありませんので 御注意!
上の写真は、眼底撮影に必要な眼底カメラです。無散瞳(瞳を拡げる目薬が不要)でカラー写真がとれ、その場で所見を説明することも可能です。