突然の視力視野異常 虚血性視神経症

比較的高齢者で、多くは片眼性に突然、視力障害、視野障害が生じ、1~数日で症状の固定してしまう疾患に虚血性視神経症があります。視神経の篩状板より前方で生じる前部虚血性視神経症と篩状板よりも後方に生じる後部虚血性視神経症があります。わが国では原因として障害の原因として、動脈硬化が多く、欧米に較べて動脈炎によるものは多くはありせん。視力障害とともに生じる視野異常は水平半盲が代表的です。

視神経症の眼底者h新

左眼前部虚血性視神経症

視神経乳頭の発赤腫脹浮腫と出血が観察されます

診断と検査

各種眼科一般検査に加えて、swinging flash light test, 中心フリッカー値の低下など視神経障害を検出する検査。それに加えて蛍光眼底撮影、視野検査を行うことが重要です。また血液一般検査の中でも血沈の亢進は原因として動脈炎を疑う重要な検査です。簡便な検査ですが血沈検査は原因究明に大変有用です。

虚血性神経症の視野蛍光眼底撮影所見

水平性視野異常と視神経の造影所見(後期でも造影剤の染色が遅延)

治療

動脈炎型では、両眼性へ進展しやすいので厳重な抗炎症が主体ですが、非動脈炎型の場合、高血圧、高脂血症や糖尿病などの基礎疾患に対する管理をまず行うとともに、様々な対症療法が試みられます。症状の進展やもう片眼(僚眼)への発症予防のためにアスピリン内服を重要と考える意見は少なくない。手術療法として、視神経減圧術が全米で検討され予想以上の効果が報告された一方、高齢者が多いためにその合併症も危惧され、慎重な意見が少なくありません。